芸能

若山弦蔵さん死去

若山弦蔵さんが亡くなりました。

享年88歳。

先月18日に心不全で亡くなっていたことが昨日発表されたもので、今年2月に亡くなった森山周一郎さんと並び、「渋い声」の持ち主として必ず名のあがる方でした。

若山さんの声は、森山さんの声よりもぐっとハスキーなイメージ。

その深く味わいのある声で、若山さんは若い頃から声優・俳優として活躍してこられた方です。

洋画吹き替えでもおなじみで、名優ショーン・コネリーの声は長らく若山さん、と相場が決まっていました。

同様にテレビドラマでも、アメリカのテレビドラマシリーズ「スパイ大作戦」のリーダー、ジム・フェルプス役を演じたピーター・グレイヴスの吹き替えを担当。

これによって「フェルプス=若山弦蔵」という図式が出来上がり、彼以外の人の吹き替えは想像もできないほどでした。

その若山さんが、ラジオパーソナリティーとしても長年活躍されてきたことをご存知でしょうか。

中でも最も長く続いたのが「若山弦蔵の東京ダイヤル954」で、この番組は1983年(昭和58年)から1995年(平成7年)までの12年間TBSラジオで放送されていた夕方の情報・トーク番組でした。

実はこの番組には1973(昭和48)年にスタートした「おつかれさま5時です」(やはりパーソナリティは若山さん)という前身番組があり、これを含めると22年にも渡って若山さんは夕方のラジオ番組で、その渋い声を披露されていたことになります。

その「おつかれさま5時です」には、リスナーからのリクエスト曲をオンエアするコーナーがありました。

当時高校生だった私は、その頃大好きだったスティーブ・マックイーン主演の「大脱走」という映画が大好きで、そのテーマソングを若山さんの番組にリクエストしたのです。

もちろん当時はメールなどありませんから、リクエスト手段はハガキしかありません。

全国展開の番組でしたので、私のリクエストなんてきっとかけてはもらえないだろうと思っていたのですが、ある日ラジオから若山さんの渋いあの声で私のペンネームとメッセージが読まれてびっくり!

そしてリクエストした「大脱走マーチ」がかかった時は、「こんなことって本当に起きるんだ」とラジオの前でちょっとうるうるしてしまった・・・。

若山さん死去のニュースを聞いて、遠い昔のそんなエピソードを思い出しました。

若山弦蔵さん、これまでお疲れ様でした。

ご冥福をお祈りします。