音楽

大滝詠一 全楽曲がサブスク解禁へ

少し前のことですが、「細野晴臣と彼らの時代」(門間雄介著/文芸春秋社)という本を購入しました。

内容があまりにも面白くて、500ページ近くある相当なボリュームだったのに、ほぼ一気読み。

以前から細野さんと彼が作る音楽作品が大好きだったのでこの本を買ったわけですが、彼の周囲にキラ星のごとく素晴らしいミュージシャン、アーティストたちが集まっていたことに改めて驚きました。

中でも、「日本語ロック」を確立したことで知られるバンド「はっぴぃえんど」に、細野さん、鈴木茂さん、松本隆さんと共に参加していた大滝詠一さんは、ヒット曲も多く今なお記憶に残る方です。

2014年に大滝さんの突然の訃報を聞いた時には、一瞬「うそでしょ?」と思いました。

当時まだ65歳、亡くなるには早すぎます。

「君は天然色」「恋するカレン」「幸せな結末」など、少し聞いただけですぐ「大滝さんだ」とわかる、独特の音の響き(フィル・スペクターによる「ウォールオブサウンド」と類似)とソフトな歌声は、聞き手をふんわりと包み込んで幸せな心持ちにさせてくれます。

そんな大滝さんが自ら主宰したナイアガラ・レーベルから発表された本人名義の全作品が、3月21日サブスク解禁になることが発表されました。

今回サブスク解禁となるのは、前述した曲以外に、「風立ちぬ」(松田聖子)「夢で逢えたら」(吉田美奈子)らに提供した楽曲のセルフカバー音源、オリジナルアルバム未収録音源を含む全177曲。

そして今日3月3日正午、これらの楽曲のストリーミング配信に先立ち、YouTubeでは「君は天然色」のMVが公開スタートとなります。

制作したのは大滝さんの大ファンだという、アニメ映像ディレクター・依田伸隆氏。

「君は天然色」を収録したアルバム「A LONG VACATION」は、永井博さんが手がけたジャケットイラストでも有名ですが、依田氏の今回のMVはこのイラストを立体的に表現した映像で構成されているそうです。

今年3月21日は「A LONG VACATION」がリリースされて40年の節目で、それを記念して同アルバムを新たなマスターテープからリマスターした最新音源を収めた作品「A LONG VACATION 40th Anniversary Edition」が発売されるとのこと。

大滝ワールドがまた私たちの前にゆっくりと開けてくるような感じがしますね。

ちなみに個人的に大滝さんの作品で特に愛着があるのは、「雨のウェンズデイ」と「カナリア諸島にて」で、この2曲ともやはり「A LONG VACATION」に収録されています。