芸能

渋い低音ボイスが魅力の森山周一郎氏死去

「飛ばねェ豚はただの豚だ」

ちょっとしわがれた低い声。

宮崎駿監督のアニメ映画「紅の豚」で、口ひげをたくわえた「豚人間」ポルコ・ロッソが発する忘れがたい一言です。

もとはイタリア空軍のエースパイロットだったポルコ(軍に戻ることを拒否して自分自身に魔法をかけて豚顔になった)は、とにかくダンディで渋くてかっこいい!

顔が豚にもかかわらずこれほど彼が素敵に見えるのは、声をあてているのが森山周一郎さんだったことが大いに影響していると思います。

森山さん以外がポルコの声、というのも今となっては全く想像できない、それくらい森山周一郎さんの声には圧倒的な魅力がありました。

わたし世代には懐かしい「刑事コジャック」=テリー・サバラスの声を吹き替えたことでも森山さんは有名で、今若い人たちにとって憧れの職業のひとつ「声優」の大先輩でもあり、また優れた俳優としても記憶される方です。

そんな森山周一郎さんが2月8日に86歳で亡くなりました。

俳優としての最後の仕事は、朝ドラ「エール」で主人公の祖父役として出演したのが最後だったとのこと。

深みのある演技とその渋い声は、画面に登場されると思わず視線が向いてしまう不思議な魅力を持っており、また一人得難い方をなくしたなぁという思いでいっぱいです。

これほど印象的な低い声の持ち主は、この先そうそう現れるものではないでしょう。

森山周一郎さんのご冥福をお祈りいたします。