これはびっくり!そして「絶対に見る!」と思ったニュースがありました。
それは漫画「メタモルフォーゼの縁側」が実写映画化されて6月に公開されるというトピックです。
「メタモルフォーゼの縁側」は、鶴谷香央理氏・作画による漫画で、2017年から2020年にかけ、ウェブコミックサイトに連載。
作品は単行本として出版され、第1巻は2018年に、最終巻の第5巻は2021年に発売されています。
原作の漫画に関しては、「これ、すごく良いから絶対に読んでみて!」と勧める人がたくさんいて(メディアでもリアルでも)、「そんなにいいの?」と、気になって読んでみたらあっというまにファンになってしまった・・・という経緯がありました。
物語の主人公は17歳の女子高生の佐山うららと、75歳の老婦人・市野井雪。
二人の出会いは、うららがバイトをしている書店に、ある日雪さんが客としてやってきて、たまたま目にとまったあるコミック誌を雪さんが手に取り、買うところから始まります。
雪さんはご主人に先立たれ、自宅で書道教室を開きながらの一人暮らし、一方のうららは両親が離婚し、母との二人暮らしです。
雪さんが手に取った本が「BL」漫画で、実はうららもBL漫画が好きだった(でも周囲には共通の趣味を持つ友達はいない)・・・ということから、ゆっくりとストーリーが進み始めていきます。
年齢的に私は雪さんの方に近いので、作品中彼女が時折独り言でもらす「『また今度』があると思っちゃうのよねぇ・・」みたいなセリフが心に突き刺さりました。
そして同時に、彼女の「好きなものを好き」と素直に言い、そして楽しむ姿勢には、「あぁ、私も残り時間の方が少ないんだから、貪欲に行かなくちゃなぁ」とも思わされます。
またそんな彼女と交流していく過程で、少しづつ自分を表に出していけるようになっていくうららちゃんも、自己肯定感が低くてしんどかった自分の若い頃を見るようで、漫画を読みながら「うんうん、わかるよ、でも大丈夫、必ず道は開けるから!」などと、心の中でエールを送ったりもして。
この二人を中心に物語はゆっくりと進みますが、彼女たちを取り巻く人たちにも皆それぞれの背景があって、それがまたこの漫画に深みを与えているように思います。
今年6月公開予定の実写版では、うららちゃんを芦田愛菜さんが、雪さんを宮本信子さんが演じるそうですが、二人とも演技巧者なので、今からとても楽しみ。
「年の差58歳。最初の青春、最後の青春」というキャッチコピーが、ぐっと胸に迫る「メタモルフォーゼの縁側」は、配給「日活」、監督「狩山俊輔」、脚本「岡田惠和」で、全国ロードショー公開されます。