山口百恵さんの「いい日旅立ち」冒頭で聞かれる伸びやかなトランペットの響き。
テレビドラマ「必殺」シリーズで、殺しの場面になると必ず流れる「パララ〜〜♪」というフレーズ。
いずれも日本人であれば、きっと一度は耳にしたことがあるはずです。
これらの演奏をされたトランペット奏者・数原晋(かずはらしん)さんが亡くなったことが、10日までにわかりました。
74歳だったそうです。
数原さんはもともと一般企業の会社員として働いておられたそうですが、音楽への思いを断ち切れず音大に進学し、やがて「高橋達也と東京ユニオン」などのバンドを経てフリーの演奏者へ。
その後は、前述の「必殺シリーズ」や「いい日旅立ち」、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」で主人公パズーが吹く「ハトと少年」のほか、ユーミンや山下達郎、杏里、SMAPらのレコーディングにも参加するなど、日本の名トランペッターとして広く知られる存在でした。
長年ともに仕事をすることが多かったというシンガーソングライターの角松敏生さんは、ご自身のSNSの中で「自分と関わりの深い恩義ある方の訃報が届きました。近年40年余、日本の大衆音楽に彼が貢献してきたことは語り尽くせないでしょう」と綴られています。
洋の東西を問わず、長年音楽の世界に貢献してこられた方々の訃報を聞くたび、本当に胸が詰まるような思いがします。
昨年から体調がすぐれない様子だったという数原さん。
体の辛さから解放された今、どうか天国でのんびりと心ゆくまで大好きなトランペットを吹いてほしいと思います。