著名人逝去の記事はできるだけ書きたくないな〜、つい先日森山周一郎さんのことを書いたばかりなのに。
そう思っていたのですが、チック・コリアが亡くなったニュースが飛び込んできて、どうしても触れずにはいられなくなりました。
チック・コリア氏はアメリカのジャズ作曲家で、エレクトリック・キーボード奏者の草分け的存在として世界的に知られる人物。
昨年のグラミー賞では、ベストジャズアルバム賞を受賞していました。
オフィシャルサイトによれば、氏は稀な種類のがんを患っていたそうで、次のようなメッセージも生前に残されています。
「私と旅を共にし、音楽の火を明るくともし続けることに協力してくれたすべての人に感謝します。私の願いは、演奏や制作、パフォーマンスなどをしたいという気持ちがある人には、それをしてほしいということです。自分のためでなくとも、ほかの人々のために。世界にはもっとアーティストが必要だというだけでなく、単に本当に楽しいものなのだから」
このメッセージからも、チック・コリア氏が心から音楽を愛していたことが伝わってくるように思います。
ハービー・ハンコックやキース・ジャレットらと並び、20世紀を代表するピアニストの一人と数えられるチック・コリア氏は、1972年に発表されたアルバム「リターン・トゥ・フォーエヴァー」で一躍脚光を浴びました。
このアルバム名をそのままバンド名にしたリターントゥフォーエヴァーのセカンドアルバム収録の「スペイン」は、のちにチック・コリアの代表曲として知られるようになります。
広い意味での「ラテン音楽」をテーマに数々の作品を世に送り出す一方で、昨年はオンラインで学べる音楽アカデミーを設立するなど、後進のアーティスト養成にも意欲を見せていた中、79歳での逝去となりました。
日中はポップな曲を聴いていても、夜が更けるとゆっくりジャズを聞きたくなる、そんな私にとってチック・コリア氏が亡くなったことはかなりのショックです。
今はただ彼が安らかに眠ってくれるのを祈るだけ。
RIP、チック・コリア。