今もまだ胸がざわざわしていて苦しい。
ローリング・ストーンズでバンド結成以来、ずっとドラムを叩き続けてきたチャーリー・ワッツが亡くなったというニュースを聞いたからです。
享年80歳。
7月24日、ロンドンの病院で家族に見守られながら静かに息を引き取ったそうです。
チャーリーといえば、すぐに浮かんでくるのがはにかんだような渋い笑顔。
ちょっとうつむきがちになって、淡々とドラムを叩くその姿は、派手に歌うミック・ジャガーや、クールでかっこいいギターを披露するキース・リチャーズとは対照的でした。
ロマンスグレーの髪をオールバックにしてスーツ姿で腕を組むチャーリーの写真からは、どう見ても世界一ゴージャスなロックバンドのドラマーというイメージは感じられません。
この「静」なチャーリーのドラムスは、ストーンズを支えてきた大事な屋台骨であり、彼亡き後のストーンズはどうなっていくのか、心配です。
かつて私もストーンズのライブを生で見たことがありました。
それは彼らにとって2度目の来日となった1995年、東京ドームで行われた「ヴードゥー・ラウンジ」ツアーです。
ステージ後方に大きく掲げられたスクリーンに曲名が現れ、「オーディエンスのみんなからリクエストの多かった曲」とミックが紹介して、「友を待つ(Waiting on a friend)」のイントロが流れた時は、おおげさでなく鳥肌が立ちました。
この曲はストーンズの作品中ではけっして目立つようなものではありません。
が、渋くて温かくて「俺はただ大切な友達を待っているだけなんだ」とミックが歌うこの作品を愛するストーンズファンは少なくないと思います。
この一曲を目の前で聞けただけでも、この日のライブに来てよかった!と思えた瞬間でした。
特別熱心なストーンズファンというわけではなかった私でも、洋楽を追いかけてきた人間として、今回の訃報は大きな衝撃です。
どうか、チャーリーの魂が安らかでありますように。