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旧山の上ホテル 「山の上ホテル 東京」として2027年に開業へ

地方出身者の自分にとって、東京というところはいまだにある種の「眩しさ」を備えた都市です。

10数年間都内で一人暮しをし、仕事も都心でしていたにもかかわらず、やはり東京というところは、他とは異なる存在なのです。

これはあくまでも個人的な「感覚」ですが、いわゆる「東京らしさ」を体現しているのは、渋谷や池袋などの若い人たちが行き交う街ではなくて、銀座や日
本橋、そして神田などの、古くからの「東京」の香りを色濃く残したところではないかと思っています。

自分がそう感じる街のひとつ、神田・駿河台あたりを歩いていて、ふと視線を斜め上にずらすと「あ、ここ・・・」といつも思う建物がありました。
それが「山の上ホテル」です。

なぜこんな大都市の真ん中にあるのに「山の上」という名前がついているのだろう、というのが地方から出てきた私の素朴な疑問でした。

後から知ったのは、もとは「佐藤新興生活館」と呼ばれていた建物が戦後GHQに接収された際、この建物が駿河台の「高台」にあることで「HILLTOP HOUSE(丘の上の家)」と呼ばれたことが、そう呼ばれる遠因になったということ。

その後、1954年にこの建物がホテルとして開業される時、創業者が「HILLTOP」というワードを丘の上ではなく「山の上」と意訳した結果、現在の「山の上」という名称になったそうです。

そんな歴史のある当ホテルは、川端康成や三島由紀夫、池波正太郎など名だたる文豪たちに愛されたことで有名で、アールデコ様式の格式あるクラシックホテルでした。

しかし老朽化のため2024年に休館、明治大学が取得して現在も改修が行われています。

その山の上ホテルが、2027年夏に「山の上ホテル 東京(英名:HILLTOP HOTEL TOKYO)」と改称されて、オープンすることが決定したそうです。
ホテルの運営は「Plan・Do・See」が担うとのこと。

同社は、歴史的建築物の再生とストーリーを重視したホテル運営に実績を有する会社として定評があるそうです。

「竹中工務店」は、商標使用に関する契約を株式会社山の上ホテルと締結、「Plan・Do・See」と協議の上、「山の上ホテル 東京」の名称を決定。

「旧山の上ホテル」の文化的背景を踏まえ、歴史的建築物の改修とホテル開業に向けた準備を進めていくとのことです。

なお「山の上ホテル 東京」には、株式会社山の上ホテルが運営する「てんぷら山の上」の本店がテナントとして出店予定となっています。

このような歴史的価値のある建物が、多くの人たちの賛同を得て存続していくことは、とても大切なこと。

新たに開業されたら、ぜひいちど足を運んでみたい場所です。