高齢化がかつてないスピードで進む日本で、今ガンなど難治性の病気と並び、特に問題になっているのが認知症です。
認知症にもいくつかのタイプがありますが、その中でも割合の高いのが「アルツハイマー病」。
主な症状は、記憶障害や言語障害、予測不能で突発的な行動などがあり、人格がまるで変わってしまったと周囲が感じることも少なくありません。
私の身近にもこの病を患い、しばらく前から施設で暮らしている人がいます。
この病になった人の身内が自宅で介護をする場合、介護者の肉体的・精神的な負担には計り知れないものがあります。
その負担を少しでも軽くするために、介護保険などの制度があるのですが、そういったものをフルに活用しても、介護のプロではない家族の負担は並大抵のものではない。
綺麗事ではすまないという現実を、私はなんどもこの目で見てきました。
「このままでは介護しているご家族が先に倒れてしまう」と、介護アシストをしてくださっている所から強制ストップがかかり、幸いにも受け入れ先が早めに見つかって現在に至っています。
これほどまでにかかった本人も、そして周囲の人たちも大変な思いをする「アルツハイマー病」ですが、これまで病気の進行を緩やかにする薬はあっても、決定的に「治す」効果のある薬は存在していませんでした。
しかし今日待ちに待った朗報が飛び込んできたのです。
それは、アルツハイマー病の根本原因に直接作用する治療薬「アデュカムマブ」がアメリカのFDA(食品医薬品局)で承認されたというニュースでした。
「アデュカムマブ」は、脳内に蓄積して認知機能を低下させると考えられている有害なたんぱく質を取り除く働きがあるとされているそうです。
FDAは、本薬剤の有効性を検証するため、承認後も臨床試験を行うことを義務付け、効果が得られなければ承認を取り消す可能性がある、ともコメントしていますが、そうであったとしても、これまでアルツハイマー病を根本から「治す」治療薬がなかったことを考えると、本当に大きな進歩だと思います。
またこの治療薬が、日本のエーザイとアメリカのバイオジェンヌの共同開発によって作られたということも、日本人として誇らしく感じます。
この薬で病気が治り、再び豊かな実りある日々を取り戻せる人々が増えることを心から祈ります。