「マルハン」といえば、パチンコをメインとした各種エンターテイメント事業で知られている企業です。
そのマルハンが「デイサービス」を運営している、しかもそれが今までのデイサービスにはない内容で、人気を集めつつあるというニュースに思わず「ん?」となりました。
数年前、我が家でも短期間ですが義父を迎えて家族ぐるみで介護したことがあり、週3の割合でデイサービスにも送り出していた経験があったからです。
通常、デイサービスで提供されるサービスは、通所される方の要介護度によりますが、施設への送迎に始まり、血圧などの健康チェック、機能訓練、入浴、食事、リクレーション、おやつ、最後に施設からの自宅への送迎、が主な流れ。
義父の場合、当時多少の自力歩行が可能でしたが、基本的には車椅子での移動をし、入浴はデイサービスでお願いしていました。
食事に関しては、義父には認知症がなく、食事制限は特になかった上、嚥下障害も見られなかったので、ほぼ健常者と同じようなメニューのものをいただいており、この点については本人もかなり満足していたようです。
ただひとつ、個人的に「もう少し工夫があったらなぁ」と感じていたのが、リクレーションの内容でした。
リクレーションは、大体が折り紙を折ったり、文部省唱歌を介護士さんと一緒に歌ったり、簡単な体操をしたり、がメインで、もちろんこうしたことは利用者さんの「脳トレ」になったり、体の動きを良くするなどの効果があるので、けっして「良くない」などというつもりはありません。
でも、もし自分自身がデイサービスに通う立場になったとしたら・・・そう思った時、正直リクレーションはこういうものだけよりは、もう少し違ったスタイルがあっても良いのでは?と感じたのです。
そういった観点から行くと、今日取り上げるマルハンが運営するデイサービス施設「ラスベガス」は、介護の新時代を見据えた新たな試みとして斬新だと思います。
全国に21店舗あるデイサービス「ラスベガス」では、パチンコやスロット、麻雀など、エンターテイメント要素を取り入れたユニークなアクティビティが提供されており、中でも特に人気なのが麻雀だそう。
麻雀は昔と違い、現在では「脳トレにとても効果的」だということで「スポーツ麻雀」があるくらい、健康的なゲームという位置付けになっています。
もちろん利用者さんたちをサポートするのは、資格を持った介護士さんたちです。
なお、ゲームで使用される「金種」は「ベガス」と呼ばれるオリジナル通貨で、ベガスは、到着後と昼食後に行われる「ベガストレッチ」にと呼ばれる体操に参加することで得られるとのこと。
つまり、ストレッチにあまり気乗りしなかったとしても、その後には楽しい麻雀ができる!と、モチベーションが上がるきっかけになるかもしれないのです。
これはとてもよく考えられたルールだと思います。
また、麻雀に関しては、他店舗と連携して麻雀の「統一王者決定戦」というイベントもあるそう!
部外者から見ても、なんだかとても楽しそうです。
これから介護が必要になる60代(私世代)は、スマホを日常的に使用し、ひととおりのITに触れながら年をとってきた世代。
好きな音楽や趣味も、これまでの世代と比べて多種多様です。
「お年寄りだからこれこれこういったものが好きだろう」などと、一括りにはできない、多種多様な趣味嗜好を持つ仲間が私にもたくさんいます。
このような「声」を吸い上げていくことが、これからの高齢者施設運営において、重要になってくるのではないでしょうか。