これはもう、理屈抜きで爆笑させてもらいました。
そして、面白い芸は、国境や言葉を超えて人々を楽しませるものだということがわかり、嬉しくなりました。
「安心してください。履いてますよ」というセリフで知られるピン芸人の「とにかく明るい安村」さんが、英国の人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント(BGT)」で日本人初の決勝進出を果たしたというニュース、多分皆さんもご存知でしょう。
「ブリテンズ・ゴット・タレント」は、2007年からイギリスのテレビ局「「ITV」で放送されている公開オーディション番組。
優勝者には25万ポンド(現在のレートだと4300万円強ぐらい!)という途方もない額の賞金が授与され、「ロイヤルバラエティパフォーマンス」への出場権利が与えられます。
「ロイヤルバラエティパフォーマンス」とは、毎年クリスマスシーズンに開催され、英王室メンバーが出席することでも知られているイギリスでは誰もが知るチャリティイベント。
過去にはアイドル時代のビートルズが演奏を披露し、舞台上からジョン・レノンが「安い方の席にいる方は手拍子を、そうではない席の方は宝石をじゃらじゃら鳴らしてください」という言葉を投げかけたことでも有名です。
そんなイベントへの出場権がかかった「ブリテンズ・ゴット・タレント」に、まさに「裸一貫」で乗り込んだ安村さん。
初登場時、まだ芸を披露する前にはあからさまに不快感を示した審査員が、安村さんが最後にスパイスガールズの「ネタ」を披露する頃には全員大爆笑し、客席も趙がつく盛り上がりぶりで、それを画面越しに見ている私も大笑いしつつ、なぜだかすごく胸が熱くなりました。
元々イギリスには、モンティ・パイソンや「Mr.ビーン」のローワン・アトキンソンのように、セリフがなくてもその仕草や顔の表情などで人を笑わせる芸の系譜があり、私はどれほどモンティ・パイソンやMr.ビーンに笑わされ、そこから元気をもらったことか。
今回安村さんは、残念ながら決勝で敗退はしましたが、準決勝では予選時よりグッとアップグレードした背景、小道具などが彼のために用意され、「アフタヌーンティー」「クリケット」「アビーロード(を渡るビートルズ)」「エルトン・ジョン」など、イギリスらしいモノや人をネタにした「裸芸」を披露し、またまた会場中を爆笑の渦に巻き込んでいました。
裸芸という一見下品になりそうなネタを、イギリスにちなんだネタで、さらりと楽しく見せてくれた安村さん。
これからその芸の幅が一層広くなるでしょうし、今後は国境を超えた活躍が期待できるでしょうね。