今日取り上げるのは、これから本格的な老齢期に入っていく自分にとって、かなり重要で嬉しいニュースです。
製薬大手のエーザイが、開発中のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、「最終段階の臨床試験(治験)で、症状を抑える有効性が確認できた」と発表したのです。
認知症は、癌やその他の病気同様誰もがかかる可能性があるにも関わらず、現在の医学ではその進行速度を遅くすることはできても、治癒させることはできないことから、「とにかくかかりたくない病」として真っ先に名前が上がる疾病。
中には比較的若い頃にアルツハイマー型認知症になる方もいますが、患者の大半は高齢になった人たちです。
私も比較的身近にアルツハイマー型認知症になってずっと介護を必要としてきた人がおり、診断初期から次第に症状が悪化していくまでの様子を見てきました。
家族の負担(金銭的にも精神的にも)は言葉では言い尽くせないものがありますし、綺麗事ではすまない介護の実情をその間に嫌というほど感じたものです。
現在その人は特別養護老人ホームに入所しています。
要介護度は「5」と最も重度の状態で、もちろん普通のコミュニケーションは不可能です。
でもガラス越しですが面会に訪れると、それが私たちであることに気づき、「喜び」を体全体で表現するんです。
それを見ると、辛かった時の記憶がどこかに吹き飛ぶくらい胸の中が温かくなり、同時につーんと鼻の奥が痛くなってしまいます。
同じような思いをされいる方がきっと日本中にたくさんいらっしゃることでしょう。
病気になることは避けられないし、それが悪いことではありませんが、介護がいかに大変なことか知っているだけに、できれば一人息子には同じ思いをさせたくないというのが私の正直な気持ちです。
そのためには健康維持に努めることがまず必要ですが、エーザイの今回の発表により、近い将来には万一アルツハイマー型の認知症にかかっても、症状悪化を抑え込める期待が出てきました。
エーザイは、「レカネマブ」と偽薬を使った治験を国内外で実施し、その結果27%の進行抑制効果が確認されたと報告しています。
また安全性についても大きな問題はないとし、 2023年3月までに日本・アメリカ・ヨーロッパで承認申請をし、同年中の承認を目指すとのことです。
おそらくこの先は、薬の価格や、対象になる患者を判断する検査体制の構築が課題となってくるでしょう。
さまざまなハードルはあっても、これは明らかに大きな一歩だと思うので、できれば他の製薬会社もこれに続いて認知症薬の開発に力を入れていただければ、と思います。