「ブックマッチ」と聞いて、それがどんな形状をしているものかすぐにわかる人は、私を含めある程度年齢が上の人だと思います。
昔はどこにも当たり前にあったものだし、何より「マッチ」は様々なシーンで登場する「道具」でしたから。
でも、今ではマッチ自体を使う機会が激減しています。
現在23歳の長男は、生まれてからこれまで自分でマッチを擦って何かに火をつけたことは、おそらく数えるぐらいしかなかったと思います。
そんな状況ですから、今の若い人に「ブックマッチ」って知ってる?と聞いて、「はぁ?なにそれ?」という答えが返ってきても仕方がないですね。
「ブックマッチ」の定義は「二つ折りのカバーに、紙マッチを挟み込んだもの」。
ちなみに「紙マッチ」とは、軸の部分が厚紙でできているマッチのことです(通常のマッチでは軸が木製)。
カバーの表部分に、飲食店のロゴが印刷されていることが多く、それが良い広告効果を生むこともあって、これまで生産が続けられていましたが、この「ブックマッチ」の製造を約49年に渡り担ってきた「日東社」から、6月受注分を最後に製造を終了するというお知らせがTwitterに掲載されました。
同社の公式Twitterには、「安価で携帯しやすく、広告面もしっかりと取れる為、様々なお店でご愛用いただき誠にありがとうございました/とても寂しいです…。」というつぶやきが。
日東社は1923年(大正12年)にマッチ製造会社として創業、約1世紀の歴史を誇ります。
今回なぜブックマッチの製造を中止するのか、について同社では「広告宣伝用として、店名や電話番号などを表紙に印刷するのがブックマッチでした。お店で煙草も吸えなくなり、需要が減ったというのが製造中止に至った理由です」と答えています。
確かに、今ほとんどの飲食店では禁煙となっていますし、お店の電話番号はスマホで検索すればすぐにわかる、そんな時代ですものね。
そして、マッチにかわる「火を付ける道具」がたくさん現れたことで、現在マッチは主に仏壇などの神仏用やアロマなどに使用されることが多くなりました。
また、東日本大震災の折には、非常用としてマッチを見直す声もあったそうです。
そうはいっても現状でのマッチの出荷量は年々減り続けているとのことで、現在の生産量は約8000マッチトン(最盛期の明治時代には全国で114万マッチトン(1マッチトン=約35万本)を生産)。
我が家の小さな仏壇で使っている箱型のマッチは、この先いつまで使うことができるのでしょうか。