今日はいつもとは少し毛色の変わった話題を取り上げます。
日本時間の今日午前1時ごろ、バチカンで行われていた新教皇選出の選挙「コンクラーベ」で、「新教皇決定」を知らせる白い煙がシスティーナ礼拝堂の煙突から流れ出て、その模様が各メディアを通じて全世界に放送されました。
新たに教皇として選出されたのは、アメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト卿。
「レオ14世」と名乗ることになったプレボスト卿は、アメリカ出身の枢機卿としては史上初だそうで、選挙後サン・ピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を見せ、広場に集まった大勢のカトリック信徒や観光客に向かって、にこやかに手を振る姿が見られました。
ちなみに、枢機卿とはローマ・カトリック教において、教皇の選挙・補佐に任ずる聖職位(教皇の最高顧問)のことを言うそうです。
・・・と、いうのがリアルでの「教皇選挙」の結果なのですが、日本ではちょうど劇場公開中の映画「教皇選挙」が、異例のヒットとなっていると話題になっています。
実は私、先月この映画を見たところ。
主役ローレンス枢機卿を演じるレイフ・ファインズという俳優が好きなのと、作中で見られる数々の美術品、また美麗な色使いがされた衣装などに興味を持ったので見に行ったのです。
本作はいわゆる文芸ものにヒューマンドラマとミステリ風味がミックスされたやや固い内容。
けっして万人受けするようなストーリーではありません。
が、今回現実の「コンクラーベ」とシンクロすることになったので、興味を持たれた方が増えたのでしょう。
面白いことに、実際今回のコンクラーベに初めて参加される枢機卿には、この映画を見てあらかじめ選挙の流れを予習していった方が少なくないとも聞いています。
もちろん映画はフィクション混じりですので、すべてがリアルなそれとは同じわけではないでしょうが、ずらりと居並ぶ各国の枢機卿たちが身にまとう真紅の衣装や、天井にミケランジェロの「最後の審判」が描かれた、厳かなシスティーナ礼拝堂の佇まいなどは、映画もリアルもほぼ同じで、思わずため息が出てしまいました。
また、現実の新教皇も事前に名前が上がっていた「有力候補」ではなかったのと同様に、映画でも新教皇に選出されたのは・・・思わず「えっ?」と声が出るような結末になっています。
リアルとのシンクロにより、上映館が増えているという映画「教皇選挙」、興味を持たれた方は、ぜひお近くの映画館へ足をお運びください。