健康

JR東日本 駅内に「気分を落ち着かせるスポット」を設置

時代だなーと思います。

それは、今日取り上げるJR東日本の新たな試み「カームダウン・クールダウンスポット」がなぜ設置されることになったのか、その背景を考えたからです。

JR東日本が今月期間限定で横浜駅と立川駅に数ヶ所設置する「カームダウン・クールダウンスポット」は、騒音や光、混雑などによってパニックまたは気分が悪くなってしまった人が気持ちを落ち着かせるための設備。

今回の設置は「実証実験」としての取り組みで、期間は10月15日から12月下旬までとなっています。

冒頭で私が「時代だなー」と呟いたのは、私自身が一時期「パニック障害」を患い、電車に乗るのが辛かったことがあるからです。

パニック障害は、突然の強い不安によって、発汗・動機・呼吸困難など様々な身体的症状が出るもの。

これを繰り返すと、「予知不安」(また同じようなことが起きることに不安を感じる)が生じて、場所が電車だった場合は電車に乗ること自体が恐怖となり、その結果電車に乗れなくなってしまう、そういう状況は私もかつて経験したことがありました。

見た目からはその人がどれくらい苦しいかがわかりづらいこともあり、同様の経験をしたことがない人には理解してもらいにくい、ということもこうした症状を持つ人たちにとっては、辛さを増悪させる一因となっていたように思います。

しかし今は、SNSなどにより同様の症状で苦しんでいる人たちの存在が広く知られるようになってきました。

私も以前よりは周囲のひとにこうした病があることをフラットに伝えることができるようになっています。

幸い今は普通に電車にも乗れますし、以前は苦手だった「人前に立って何かを話す」こともぼちぼちできるようになりました。

このように、私のようにわずかな刺激や騒音などに影響を受けやすく気分や体調を崩しやすい人のために、今回JRが「一時避難」できる場所を作ってくれる。

これは大いなる第一歩だと思います。

今回のスポットは実証実験として設置されるため、パーテーション等の用意はありませんが、光や音、におい等の五感に関する情報を、地図として表示した「センサリーマップ」が設置されるそうです。

あわせて駅の感覚情報やカームダウン・クールダウンスポットの位置をWebページ上に試験公開し、駅利用者が事前に情報を確認できるようにするとのこと。

JR東日本では実証実験を通じて、駅におけるこれらの設備、情報の在り方について検証していくそうです。

「多様性」を謳う現代、このような「外からは見えにくい」症状も対象に加えてくれたこと自体がわたし的にはとても嬉しいです。