ずっと心配していました。
「教授」こと坂本龍一さんのことです。
今年6月に癌が「ステージ4」であること、両肺に転移した癌の摘出手術を受けたことなどを自ら明かしていました。
坂本さんは現在70歳。
日本人男性の平均寿命が80歳を超える今、70歳はまだその先にさまざまな可能性を見つけられる年齢かと思います。
私自身60代に入り、少しづつ今の教授と同じ年齢に近づきつつある中、才能の塊のような彼が70歳という「若さ」で、この先やりたいことを諦めなければならないかも、という事実はとても残念です。
「ライブでコンサートをやりきる体力がない。この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」
そんなコメントと共に、12月11日坂本龍一さんのピアノソロコンサートの模様が配信されることになりました。
このコンサートの撮影は、坂本さん自身が「日本で一番良いスタジオ」と太鼓判を押した、渋谷のNHK内の「509スタジオ」で9月中旬に行われたそうです。
撮影にあたっては、ニューヨークから招かれた映画制作チームも参加し、日に数曲づつ、じっくりと収録が行われたとのこと。
おそらく教授の体調を見ながらのことだったのでしょう。
彼には、きっと創りたい音楽がもっとたくさんあるはずだと思います。
少しでも長く生きて、少しでもたくさんの作品を残してほしいという気持ちと同時に、癌末期の苦しみは、身近で同じ病に苦しんだ人を見て知っているだけに、できればあまり苦しい思いはしてほしくない、という気持ちも私の中にはあります。
とても複雑です。
YMOの時代から今に至るまで、日本のミュージシャンとしては稀有な存在感を示してきた坂本隆一さん。
どうか、これが最後などということがありませんように。
今はそう祈るような気持ちでいっぱいです。