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漫画家さいとう・たかを氏死去

つい先日「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネスに認定された「ゴルゴ13」の話題を当ブログで取り上げたばかりでした。

その「ゴルゴ13」の作者であるさいとう・たかを氏が9月24日に84歳で亡くなったというニュースが流れ、ショックを受けています。

すい臓がんを患われていたということで、ご年齢などを考えると仕方がなかったのかな、とも思いますが、漫画家で長寿を保ちながら創作活動も持続されてきた稀有な存在だったので、とても残念です。

振り返れば、初めて「ゴルゴ13」が登場したのは1968年のこと。

今も刊行されている「ビッグコミック」誌への掲載が始まった1960年代は、映画では「007シリーズ」、テレビでは「スパイ大作戦」「ナポレオン・ソロ」など、いわゆる「スパイ物」が流行していた時代でした。

普通の人間では到底不可能と思われるような数々のミッションを、超人的な頭脳とスキルでクールにこなして「指令」を達成する彼らの姿は、顔色ひとつ変えず、正確にターゲットを撃ち抜く「ゴルゴ13」ことデューク東郷と重なって見えます。

さいとう・たかを氏の絵柄は、それまでどちらかといえばデフォルメされたタイプの絵柄がほとんどだった漫画とは一線を画していました。

さいとう・プロダクション設立以前の1950年代末、さいとう氏を含めた8人の漫画家で結成された「劇画工房」が、当時たくさんあった「貸本屋」で大人気となり、そこから「劇画」という漫画スタイルとワードが一般に浸透していったようです。

また、さいとう氏は、早い時期から分業制による漫画制作を取り入れたことでも知られています。

そして気になる「ゴルゴ13」のこの後についてですが、さいとう氏は生前「自分抜きでも続いていってほしい」と周囲に語っていたとのことで、その遺志に沿いさいとう・プロと脚本スタッフ、「ビッグコミック」編集部が協力しあって、この先も作品の連載を続けていくそうです!

さいとう先生、これまで長い間お疲れ様でした。

「ゴルゴ13」の活躍をこれからは雲の上から見守ってください。