ここ数年でかなり周知が進んだクラウドファンディング。
何年か前にこのワードを初めて耳にした時は、「ん?これってどういう意味?」と思ったものですが、今では資金難でやりたいことができない、というような話に接すると「だったらクラファンすれば良いのでは」などと思うようになりました。
そのクラウドファンディングを使って、9億という巨額な寄付集めを実現したのが「国立科学博物館」です。
「国立科学博物館」は動植物から鉱物、科学技術資料に至るまで、幅広く標本や資料を収集し、保管している施設。
現在博物館の登録標本、資料数は500万点以上にのぼ理、上野の館内に2万点以上の標本や資料が展示されていますが、それは全ての収集物のわずか1%未満にすぎず、多くはつくば市にある専用の収蔵庫に保管されているそうです。
当然この膨大な数の標本や資料を保管するためにはかなりの費用がかかります。
国からの補助はあるというものの、この数年のコロナ禍で入館料収入が大幅に減少し、加えて昨今の物価高による光熱費や保存容器などの価格の高騰、新たに必要になり建築中の資材の高騰など、さまざまな要因で、元から余裕のなかった博物館運営が危機に晒されました。
そこで博物館では「1億円」を目標に今回のクラウドファディングにチャレンジしたのだそうです。
資金難を理由に1億円を目標にスタートしたプロジェクトは大きな話題となり、初日になんと目標金額の1億円を突破。
この勢いは止まらず、最終日の5日を過ぎた時点で9億を超えたというニュースが流れました。
一人一人の力は小さくても、同じ志の人たちがたくさん集まれば、こんなにすごいことを起こすことができる。
それがはっきりとわかった、とても嬉しい出来事です。
なお、国立科学博物館館長の篠田謙一氏は、「まずはなんといっても驚きと感謝です。」と前置きをし、「多くのご支援をいただいたことで、いまでは『お金をどう使うか』が挑戦になっています。」とコメントしました。
そして、今回のクラファンに寄付した方々には金額に応じた返礼品が設けられているのですが、中でも一番人気は「科博オリジナル図鑑」だそうで、現在篠田艦長が制作トップになって進めているそうです。